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「作家の秘められた人生」ギョーム・ミュッソ、吉田恒雄訳、集英社文庫


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『ブルックリンの少女』『パリのアパルトマン』などの著者で、本書はフランスで刊行されるや80万部突破、という本国フランスでベストセラーを連発するギョーム・ミュッソ。

この作品、中心となる登場人物はネイサン・ファウルズという作家。ファウルズは、「ライ麦畑でつかまえて」のサリンジャーを彷彿とさせる存在で、彼を世界的に高名な作家に押し上げた三つの作品を刊行後、突如として謎の断筆宣言をして、ボーモン島という島にある「南十字星」と呼ばれる屋敷に逼塞し、いっさいの取材を受けない生活に入ってしまった。

そこに、ボーモン島ゆいいつの書店にアルバイトとして働き始めた、作家志望の若者ラファエル・バタイユが、やってくる。冒頭は、断筆した作家と作家志望の若者がくりひろげる創作論や、折々に挿入される文豪たちの作家論に、ニヤリとさせられながら進行する。

ところが、島で女性の惨殺死体が発見され、物語は急速にサスペンスへと舵を切る。

殺人犯がまだ島にいるかもしれないと、警察は島の出入りを封鎖。ここでいっきに、孤島ミステリーの趣も。

殺された女性はいったい何者なのか。そして、作家はなぜ筆を折ったのか。

「作家」そのものに興味のある方は、これは読むでしょ、という作品。

フランスミステリーは、英国ミステリーなどに比べると、独特の「ななめ35度くらいから見る、ひねくれた視点」を感じる。

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