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2022年1月のおススメ

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デジタル・ケイブ

皆さまのおススメ本を、このトピックへの返信として教えてください♪
いちおう、お約束を決めておきますね。

・ひと月に、おひとり一冊まで
・必要な情報は、書名、著者名、出版社名、おススメコメント
 (おススメくださった会員さんのお名前もわかる形で)
・おススメコメントの長さは、800字まで
・対象となる本は、この半年くらいに出版されたもの
・対象となる本は、書店やネット書店で新刊が手に入るもの(変更しました!)
・ただし、主催者・福田和代の本は除く(笑)
・会員作家さんの本は、ぜひ全力でおススメしてください♪
・締め切り 2022年1月20日(木)

締め切り後、会員の皆様に投票をお願いして、上位3冊をお勧めくださった方に、図書カード5,000円分をお送りいたします。
上位3冊は、おススメコメントとともに、デジタル・ケイブのWebサイトでご紹介させていただきますね!
(同率の場合は……ジャンケンかな!?)

ご応募お待ちしております♪

9件の返信
早川隆

あけましておめでとうございます。早川隆です。
とりあえず新年一発目、いかせていただきます。

ミカエルの鼓動」 柚月裕子 文芸春秋

 直木賞候補にもなっている作品ですね。柚月さんといえば、「虎狼の血」。かなりダイレクトな描写の警察・犯罪小説の書き手みたいな印象強いですが、本作は医学ミステリー調の、実はパリッとした医療倫理小説です。
 最新鋭の遠隔手術システム「ミカエル」を駆使するエキスパート医師と、ブラックジャックばりのアナログスキルを誇る天才医師との宿命的な対決。彼らを煽り、裏で保身と利益確保のために蠢く魑魅魍魎ども。そしてそのはざまに置かれた幼い命。
 と、まあ、王道ともいえる舞台設定で、ストーリー展開も大きく予想を外すものではありません。また、わずかに食い足りない点とか、消化不良に思えた部分も、ないことはない。
 しかし、そうした小さな瑕疵(?)など吹っ飛ばして、迷いのない堂々たる筆致で語られる物語は、ひたすら読み手の心をわし掴みにし、一気に終盤に向けグイグイと加速していきます。これぞ王道。間違いのない良質な倫理小説です。
 どんな人であろうと、この物語を読み終えたあとは、背筋を正し、シャンとして自分の仕事にそして人生に向き合おうとするでありましょう。私もそうです。年頭に良い読書をさせていただきました!

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1 返信
福田和代

早川さん、ご投稿ありがとうございます♪(^^)

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藤井 博子

『アダムとイヴの日記』 マーク・トウェイン 河出文庫

アメリカの国民的作家マーク・トウェイン。ちょっとおふざけな彼が旧約聖書をもとに、「もし、アダムとイヴが日記をかいていたら。覗いてみたいでしょう~。」ってなノリで書かれた一冊。

本書に集約されている「アダムの日記」と「イヴの日記」は当初、別々に書かれております。
そちらを一冊に纏められたものなので、同じシチュエーションで双方がどんな日記を書いていたかという記述ではございません。

【アダムの日記】
月曜日
なんだか別の生き物がやってくる
火曜日
その生き物は、おしゃべりでアダムの邪魔をする

などという、ほとんど覚書で、新しい生き物が邪魔で、迷惑で、そして冷たくあしらうと奴は顔の穴(目)から水を流す。

魚がかわいそうで一緒にベッドで寝てあげたんだけれど、なんだかべとべとしているし、魚は次第に元気を失った。
そして、また増えた新しい生き物(赤ん坊)が何か不明水辺の生き物かと水に返すと沈んでしまった。

アダムは迷惑千万ながら、真摯な対応と純粋さをユーモラスに描きあげられております。

【イヴの日記】
よくぞここまで理解されていると思われるほど、女性心理を突いた描写であり、そして、日記形式ではなく、自叙伝のような形式。
イヴにとってみれば、よかれと思って行動しているのであるが、先出の「アダムの日記」でアダムは戸惑っている事を知っていしまっている読者は、ハラハラしてしまいます。

永遠に理解できないであろう異性。

ラストはホームドラマのような爽快感に包まれ、このような作品を生み出したマーク・トウェインとはどのような生涯を送り、どのような考えの方だったのか、まだまだ読書に対する好奇心がムクムクと湧いてくる作品でした。

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1 返信
デジタル・ケイブ

藤井さん、ご投稿ありがとうございました♪

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尼野 ゆたか
タイトル:雲州下屋敷の幽霊(単行本時タイトル「奇説無惨絵条々」)
著者:谷津矢車
出版社:文藝春秋
 
 
 
明治になって二十余年の東京。一人の絵師に古本屋の亭主が「戯作」を一冊ずつ読ませるという形で綴られる連作短編集です。
 
 
テーマとして取り上げられるのが、演劇改良運動。学者の主導で学術的に正しい歌舞伎を作り、とてもつまらないものになったという話なのですが、
この史実をすくい上げることにより、谷津さんは「史実と違う」の一言で物語の価値を全て切り捨てる風潮に異を唱えます。
古本屋の亭主の「物語と歴史ってのは、案外区別がつきにくいものなのさ。だが、学者の先生や政府のお歴々は、単純に物語と事実を切り分けることができるって思ってる。で、事実を並べるだけで面白い戯作になると信じているんだから笑い草だよ」という台詞には、「解釈は人それぞれ」なんていう逃げ道を自ら潰す気迫が滲みます。
 
 
小説の出来はというと、読めば分かりますが素晴らしい。きっちり歴史に取材し、そこにイマジネーションを加え、見事なフィクションを描き出されています。
これはもう本当に、横っ面をはたかれた思いでした。小説家は、小説で語れる。
 
 
史実云々を口にする学者さんの姿は実際拝見します。
この小説はその顔面に手袋を音速でぶち当てるような一作で、
それを谷津さんのような名のある作家が発表されたのですから騒然となってもおかしくないのですが、先方からの反応は一向にないそうです。おやおや。
 
 
ちなみに演劇改良運動は時の政府の意向を受けたものでもあるのですが、それに対しても谷津さんは、
「声なき声を拾い上げ、ときには弱き者の子守唄に、ときには弱き者の道を切り拓く鉈に、ときには弱き者の足元を照らす灯りになるものなんだ」
と高らかに宣言しています。はたかれるどころか往復ビンタを食らって僕は顔面がぱんぱんですが、「あたしたち何かを作る人間は、恥も外聞も関係ねえ。手前の七転八倒すらもネタにして、前に進むもんだろうからよ」と叱咤も受けておりますので、頑張ろうと思います……。
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1 返信
デジタル・ケイブ

尼野さん、ありがとうございます(^^)♪

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福田和代

スレッドを上げるための投稿です。
本日、投稿の締め切り日です♪
皆さまよろしくお願いいたします。

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